ウサギの切歯の不正咬合

2006年11月08日
うさぎは2生歯性であり乳切歯は胎生期に萌出と脱落が起こり、出生前に吸収されている。乳臼歯は生後約7日で萌出し30?40日で脱落し永久歯に交換する。
ウサギの歯は常生歯であり、切歯は1ヶ月に1cm程度伸長する。

(原因)
遺伝的要因、ペレットの多給により噛む回数の減少による磨耗不足、ケージを齧ることや落下による破折、顎骨の骨折、感染、腫瘍性疾患も疑われる。

(症状)
切歯の不正咬合では主に、切歯歯冠の形状の変化の他、上顎切歯の歯根の伸長による鼻涙管の炎症や狭窄、涙嚢炎による流涙、目やに。流涎、口腔粘膜からの出血・潰瘍、食欲不振。胃腸停滞に起因する下痢などがみられる。

(検査)
X線検査では基本的に側方像、背腹像、吻尾像の3方向で行なうが、良好な画像を得るのが困難なため側方向のみの撮影が多い。
顎骨、咬合の状態、切歯、臼歯の歯冠および歯根などについて評価する。

(治療)
・切歯歯冠の切断
ニッパーや爪きりなどで切断する方法もあるが根尖の組織に損傷を与えたり、縦に割れたりすることがあるためお薦めはできません。
清水式切歯カッターやマイクロエンジンによる切断がよいでしょう。
マイクロエンジンを使う場合はアイスの棒などで周囲組織を保護するとやりやすいです。
基本的には無麻酔で行なえます。

・切歯の抜歯
抜歯前にはX線検査で切歯歯根の骨性癒着や石灰化部位がないか確認します。
臼歯の不正咬合もある症例では切歯がなくなると開口固定が困難になり臼歯処置が難しくなるので注意が必要です。

切歯の歯根膜靭帯は舌側のみであり、靭帯を断裂し歯を脱臼させ、歯のカーブを描くようにゆっくり抜歯する。
靭帯の切断や脱臼には乳歯用のエレベーターや18Gの注射針を使います。
抜歯時に根尖部の組織が残っていると歯質の形成が起こることがあるので切歯を除去する前に歯槽に押し込んで胚組織を破壊したり、抜歯後、歯槽を掻爬洗浄するなどの処置を行なう。

術前、術後にケタミンやブトルファノール、NSAIDSによる鎮痛を行なうのも重要です。

抜歯の適応としては切歯の不正咬合であるが、基本的には切歯の切断は無麻酔で処置を行なえることから歯根の感染がある場合や処置に麻酔が必要な症例に絞られると思われます。

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