フェレットの皮膚型リンパ腫

2012年07月19日
フェレットでは珍しい皮膚型リンパ腫の例をご紹介します。

リンパ腫といえばフェレットでも非常に発生が多い病気です。
通常は全身のリンパ節の腫脹や腸の肥厚などが主にみられますが
皮膚型リンパ腫はその名の通り、皮膚にリンパ腫が発生します。

今回は他院からご紹介いただいた例ですが、初めは腹部に少しだけだった皮膚炎、潰瘍が徐々に全身に広がっていったようです。
抗生剤を種類を変えながら1か月近く投薬していたけれども全身に広がると共に全身状態も悪化していった模様です。

当院受診時には全身、特に粘膜付近にも湿疹、潰瘍がひどくあり痩せていました。
数種類の抗生剤投与をしていても改善がないことから単なる細菌性の皮膚炎ではなさそうです。
犬であれば天疱瘡も疑われそうな皮疹ですが、フェレットでは非常に稀です。
もっと前に診察をしていたらフェレットのジステンパーの皮膚炎も疑えますが、ここまでひどい例はそうはいません。

上記疾患の鑑別のために皮膚炎部分の細胞診を行いました。
すると炎症細胞もごくわずかにみられますが、そのほとんどが異常なリンパ球を疑う細胞群が多数採取されました。

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この細胞診の結果から皮膚型リンパ腫が疑われます。
抗生剤を投与しているからか、細菌は検出されませんでした。
できれば皮膚生検も同時に行います。

皮膚型リンパ腫は通常治療に難治性で予後が悪いことが多い疾患です。
そのため早急に診断をつけていかなくてはいけません。

そもそもフェレットでは皮膚病自体が少ないこともあり、難治性の皮膚炎ではリンパ腫も鑑別診断リストの上位に入れておかなければいけないということでしょう。
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日本獣医がん学会

2012年07月10日
先日はがん学会参加のため臨時休診にしましてご迷惑をおかけいたしました。

腫瘍学は日進月歩です。以前の知識が古くなってしまうことも多く、最新の治療法をご提供するためにも
日々の勉強のほか、学会やセミナーで新しい情報を仕入れていかないといけません。

今回も「肥満細胞腫2012」と題したシンポジウムの他、症例検討にて各施設、各大学での診断、治療法にも触れることができ非常に有意義な学会でした。

日本獣医がん学会

がん学会は犬猫の腫瘍についてですが、腫瘍診断・治療の基本はフェレットにもいかせることが多く
特にフェレットではリンパ腫などの発生が多いため非常に有用です。
最近では犬猫のリンパ腫の診断・治療は以前と大きく変わってきています。
犬猫の治療法をすべて外挿することはできませんが、フェレットにおいても新しいリンパ腫の概念は非常にためになります。
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