フェレットの頭頚部の腫脹

2006年10月25日
最近、フェレットで頭頚部の腫脹を主訴に来院する症例がいましたので、診断アプローチ法を掲載いたします。

鑑別診断リスト
・根尖膿瘍
・外傷
・唾液腺のう胞(導管の閉塞、感染、腺癌など)
・頚部リンパ節の腫大(リンパ節炎、リンパ腫など)
・口腔内腫瘍(扁平上皮癌、線維肉腫などが報告されている)
・・・

発生頻度が高いのはやはり外傷や根尖膿瘍だと思われます。
視診、触診、FNA、X-rayより鑑別診断を行ないます。
通常のレントゲン撮影法ではわかりづらいことも多いですが骨融解の有無や患歯の判断をします。
多いのは犬歯と前臼歯で、治療は犬猫に準じます。

唾液腺のう胞はFNAにて粘度のある血様の液体が採取されます。通常、腺細胞が見られるが裸核で採取されることもあり、細胞診に慣れていないとリンパ腫と誤って判断する恐れがあります。
まずは内科的に治療を行ないますが、反応に乏しいことも多く腺の造窓術、減量術を行ない、病理検査も同時に行ないます。

扁平上皮癌(SCC)
病変部位にもよりますが、基本的には予後は悪いようです。フェレットでは犬と猫のどちらに挙動が似ているのか、文献など報告が見つかりませんでした。
そのため犬ないしは猫に準じ発生部位により外科、放射線、化学療法を選択します。
ブレオマイシン 20IU/m2 週1回投与が転移および再発したフェレットのSCCの腫瘍サイズ減少に効果があったという報告があります。

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フェレットの副腎の超音波検査

2006年10月18日
腹腔内臓器が触りやすい症例の左副腎は触診にてある程度サイズがわかることも多いですが、右副腎の触診は困難なためエコーでの描出は重要だと思います。
また、カラードップラーが使える機器なら血管走行より低エコー像が副腎であるとより確信をもつことができます。

左副腎

腹側、背側両方からのアプローチがありますが個人的には背側からプローブを当てることが多いです。

右副腎:最後肋骨の下部、脊柱寄りから縦断像にて右腎を描出する。そこでプローブを頭側に振って右腎と肝臓の間の後大静脈に接する低エコー像の腫大した副腎を探す。

左副腎:左腎を背側から描出し、頭側正中寄りに脾臓尾側までスキャンし、円形の低エコー像を探す。

・利点
術前にどちらの副腎に異常があるかがわかり、手術の難易度をある程度予測できる。
同時に他の腹腔内臓器を画像的にスクリーニングできる。
サイズの変化を観察できる。

・欠点
副腎に形態学的に変化がない場合、副腎疾患を除外できない。
副腎疾患の50%しか診断できなかったとする文献もある。つまり腫大した副腎を描出できない場合や上述のサイズの変化がない場合がある。
じっとしている時間が短いため検査に習熟が必要である。

副腎疾患の症状を示しているが試験開腹しても肉眼および触診にてどちらの副腎が異常かわからない症例を過去に経験しているので、基本的には副腎疾患に特徴的な症状およびエコー検査にて副腎の腫大を確認してから手術を行なうようにしています。

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