モルモットの潰瘍性足底皮膚炎

2006年08月29日
うさぎと異なりモルモットの場合は後肢の中足骨以外にも前肢の中指骨にも好発する。
肢底部は肥厚、発赤、潰瘍がみられ、重症例では病変部が丸く腫大し膿瘍や関節炎、骨髄炎を引き起こすこともある。
疼痛によって頻繁に鳴き、動くのを嫌がる。

□ 原因
・硬い床のケージ
・不衛生な床
・小さいゲージによる運動不足
・肥満
など

□ 治療アプローチ
レントゲンは必ず撮影し骨病変のないことを確認する。

治療期間中のケージの床環境の改善としてタオル、その上にペットシーツを敷く。うさぎほどはペットシーツを食べない個体が多いようです。
モルモットは排泄量が多いのでシーツがある程度汚れてきたら1日に数回交換します。
骨病変のない軽症例では抗生物質の全身投与と病変部に応じてドレッシング材を用いた局所治療を行ないます。
治癒するまで2?3ヶ月かかる場合が多いです。

関節炎のある症例では完治が難しく、片脚の骨吸収像の進行する重症例では断脚も検討します。

普段の診療から良く起こる病気として予防法をクライアントエデュケーションを行なう必要がある疾病の1つだと思います。
以下は実際に自分で飼っているモルに実施している予防の例です。

・金網ケージ(いろいろ意見はあると思いますがモルモットは排泄量が多いため、糞尿が下に落ちる金網は衛生面や掃除の手間などを考えると個人的にはおすすめです)
・小さなスノコや「わらっこ倶楽部のうさぎの座ぶとん」などモルモットが休める場所の設置
・床に牧草を敷き詰める
・1日に最低2回の掃除
・運動可能なやや大き目のケージ
・体重管理

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診療にお薦めの本 Vol.3

2006年08月09日
モルモットの臨床

モルモットの臨床

モルモットについて書かれた獣医学書。
非常に平易に簡潔に書かれていますので詳しく調べ物をするような本ではありません。それを期待して買うと裏切られます。
あくまで診察の最中のふとした疑問「あれ何だっけ?」を簡単に確認する本としてはいいのでしょう。
とりあえずこの本に書かれている内容は押さえておきたいところです。

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うさぎの耳ダニ

2006年08月02日
ウサギキュウセンヒゼンダニの寄生が原因で他のウサギとの接触後に起こることがあり、ストレスなど環境、体調の変化が引き金となって症状が出ることが多い。
ダニの生活環は3週間。

□ 臨床症状
外耳道と耳介内側にたくさんの痂皮がつき、痛みを伴うこともある。片耳のみに症状を示すこともある。
痒みを伴い耳を引っ掻き、二次的に細菌感染を起こすことも多い。
罹患したほうの耳を傾けたり垂らしたりする仕草がみられる。

□ 診断
臨床症状から仮診断し、痂皮、耳垢から耳鏡や顕微鏡にてダニを検出する。

□ 治療
イベルメクチンの局所投与はうさぎではなかなか効果を示してくれないようです。
教科書的にはイベルメクチン200?400μg/kg sc 2週間間隔で3回投与とありますがイベルメクチンの注射はかなり痛がるため最近ではもっぱら、ファイザー社から出ているセラメクチンのスポット剤レボリューションを使用しています。
痛みもなく投与も楽ですし、ほとんどが1?2回投与で治癒します。ただしイベルメクチンもそうですがうさぎさん用ではありませんのでインフォームが必要です(製薬会社もうさぎ使用時のデータは持っているようですが)

耳の痂皮の除去は疼痛や出血性のびらんがみられるため通常行ないませんし治癒に必要としません。
うさぎが痛みによって食欲の低下などを示すようであればプリンペラン、ペリアクチンの投与などの対症療法のほかにカルプロフェン(リマダイル)やメロキシカム(メタカム)などの鎮痛剤の投与も検討します。



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