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エキゾが来ない

2006年07月24日
今勤めている病院は大半が犬猫で今まで勤めてきた病院の中でもっともエキゾチックペットの来院が少ないです。
これが普通の動物病院の来院患者さんなのかもしれませんが。。。
うさぎ、フェレットどんどん来て欲しいです。
実際に診ていないといわゆる勘が鈍ります。エキゾばかり診ていると逆に犬猫の病気に戸惑います。

とりあえずここ数週間、犬猫以外診ていません。
ポツポツとうさぎ、フェレット、ハムスター、モルモットが来院していたのをチラッと見ましたが他の診察とかぶってしまいなかなか直接診る機会に恵まれません。
重症のフェレットが来院したら自分にまわしてくれるとのことですが・・・実際どうなんでしょう。

とりあえず毎日、診察がハードなので休みの時間のある時に再確認も兼ねてブログにアップしたいと思います。
こんなネタはどうだ?と言うのがありましたら教えてください。

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フェレットの副腎疾患 - 治療方法

2006年07月20日
副腎疾患の治療には外科治療および内科治療がありますが、オペ適用でない理由がない限り基本的には根治治療である外科を検討します。

手術適応として以下の3点を検討します。
・できれば5歳まで
・一般状態良好
・インスリノーマ、リンパ腫、心筋症などを併発していないこと
インスリノーマに関しては軽度の場合は開腹時に併せて摘出することも検討します。

左副腎摘出術、右副腎摘出術の詳細については成書でご確認ください。
副腎の両側摘出では術後、問題ない場合、アジソンになる場合、死亡する場合があり両側全摘出、部分摘出については議論のあるところです。
十分インフォームドした上で術式を検討します。
開腹時には副腎のほかに胃、脾臓、膵臓、肝臓、リンパ節も確認しておきます。
副腎を操作する時に急激に不整脈や徐脈になることがあるので注意が必要です。



内科治療
臨床症状の改善、QOLの維持を目的とした治療法で抗腫瘍効果はありません。
衰弱している症例、併発疾患が重篤、片側副腎を摘出済み、手術を希望されない場合などに適応されます。

1.酢酸リュープロレリン(リュープリン)
GnRHアナログ。GnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)として作用し、一過性に下垂体-性腺刺激作用がみられるが負のフィードバックにより下垂体からのFSH(卵胞刺激ホルモン)、LH(黄体刺激ホルモン)の産生、放出が低下する。
投与量として100μg、250μg、500μgとさまざまな文献がありますが、高価な薬であるため経験的には250μg/head sc 4weeks毎で投与していますがほとんどの症例で効果を示してくれます。
4回投与しても効果が少ない場合は増量を検討します。
注射剤を沈殿しないように泡立てない程度によく撹拌してロードーズシリンジに分注して冷凍庫で保存する。(-40℃で保存が理想とも言われています)
フェレットでの副作用としては体のほてり、注射部位の硬結が見られるときがあります。
臨床症状は時期などにもよりますが約1ヶ月で改善するが2年程で効きづらくなることが多いようです。

2.メラトニン
視床下部に作用してLH-RHの産生と放出を抑制する。
0.5~1.0mg/kg/日 PO SID
日の出から8~9時間後に投与する方法もある。
効果の印象としては少しよくなる程度。

3.アナストロゾール(アリミデックス)
アロマターゼの阻害によりテストステロンからエストロゲン変換を抑制する。
臨床症状が改善されるまで、0.1mg/kg PO SID
その後、1週間投薬して1週間休薬を繰り返す。
アンドロゲン受容体ブロッカーとの併用は禁忌

オスにおける前立腺疾患は早期に異常な副腎を摘出できれば改善できるが、嚢胞性変化の進行や膿瘍となると完治は難しく副腎疾患の治療、前立腺に対する外科処置、抗前立腺薬の併用を行なう。
抗前立腺薬:アンドロジェン受容体ブロッカー
ビカルタミド(カソデックス)5mg/kg PO SID 1週間毎 投薬、休薬を反復する。
フルタミド(オダイン)10mg/kg PO BID
酢酸クロルマジノン(プロスタール)2mg/kg PO SID



フェレットの副腎疾患は適切な時期に適切な治療を行なえば良好なQOLが得られる場合が多いですが、時期を逃したり、併発疾患によってはQOLの維持も難しい症例も数多く経験します。
最近ではこの他にも治療法となり得るものが海外の文献にはあるので、使用する機会がありましたら紹介したいと思います。

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フェレットの副腎疾患

2006年07月12日
(1)はじめに
発症は平均3.5歳。早いフェレットでは2歳ごろから。
詳細な原因は不明ですが以下の関与が指摘されています。
・遺伝(ヒドロキシラーゼ欠損)
・性成熟前の性腺摘出
・季節繁殖動物の室内飼育
・食餌

下垂体由来ではなく、ほとんどが副腎由来の疾患である。
副腎皮質細胞変性(出血、壊死、結節、嚢胞、過形成)
副腎腫瘍(副腎皮質腺種、腺癌、褐色細胞腫、奇形腫、平滑筋肉腫)
84%が片側性で左副腎が84%、右副腎が16%とされています。

(2)病歴、臨床症状
・脱毛 (尾部や腰背部から始まり体幹、頭部へと進行する脱毛、なめしたような皮膚。80%以上に認められる。長日に入る春に尾部のみが脱毛する場合、換毛不全の可能性もあります)
・掻痒 (30%以上に見られ体幹背側で多く認められる)
・削痩 (四肢や上半身の筋力低下)
・肥満 (下顎の両側や下腹部の脂肪蓄積)
・陰部腫大 (避妊雌の50%以上に認められる。漿液粘性の分泌物が見られることもある。未避妊雌の発情や卵巣疾患、避妊雌の卵巣遺残との鑑別が必要)
・乳頭の腫大
・乳腺腫
・子宮断端腫 (陰部腫大、頻尿、排尿困難がみられる)
・排尿困難、尿漏れ (前立腺の過形成や嚢胞性の変化。子宮断端腫)
・行動の変化 (嗜眠、攻撃性)
・体臭の変化 (皮脂腺の分泌が亢進し、体臭の増加、被毛粗剛、べたつきが起こる)
・多飲多尿
・貧血 (エストロジェンによる骨髄抑制)
・脾腫

*繁殖季節である長日環境(春から夏)で悪化、短日(冬)で改善する傾向がある。

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知っておきたいフェレットの生理的特徴
季節繁殖動物
発情季節 ♀3-8月 ・ ♂1-6月
短日条件:毛色薄い、皮脂腺活発、脂肪蓄積
長日条件:毛色濃い、皮脂腺不活発、脂肪減少
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Dx 卵巣遺残
エストロジェン中毒(脱毛、陰部腫大、再生不良性貧血、腸炎、紫斑)
診断:飼育初年度、発情季節の長日環境(春から夏、3-8月)からの発症
エストロジェン測定
エコーにて卵胞嚢腫の確認
試験開腹

治療:
hCG 100IU/head IM or SC 7日毎
卵巣子宮摘出術

(3)診断
触診では左腎臓の頭側にコリコリとした左副腎の腫大が触れることが多い。右副腎は経験上、触診は困難と思われます。

超音波検査は非常に有効ですが、副腎疾患の50%しか診断できなかったとする文献もあります。
副腎の正常サイズはいろいろな文献がありますが、5mm以下とされています。
副腎はエコーフリーに近い円形の腫瘤として描出され、正常なサイズでは確認できないことが多い。
実際の手技としては始めに触診にて腎臓の位置を確認し、背側をアルコールにて毛を分け、高Hzのプローブを使い、左副腎は左腎頭側やや正中より、右副腎は右腎頭側、後大静脈、肝臓の辺縁をスキャンします。
同時に前立腺や子宮断端部も確認します。

X線検査は診断方法としてはあまり有効ではありませんが、併発疾患のスクリーニングのために行います。
まれに副腎の石灰化がみられることがあり、その場合は腺癌の可能性が高いようです。

一般血液検査では副腎疾患を疑うような結果は通常ありませんが、併発疾患のスクリーニングのためにも行なっています。

血中ホルモン濃度の測定(犬のクッシング症候群と異なり性ホルモンが上昇する)
・エストラジオール
・デハイドロエピアンドロステロンサルフェート(DHEA-S)
・アンドロステンジオン
・17α-ハイドロキシプロジェステロン
のうち1つ以上が上昇するといわれています。モノリスにて検査できますが数万円とかなり高価なため経験的には検査頻度は高くありません。
まれに(副腎疾患の7%)コルチゾールの上昇がみられるため、症状や血液検査結果によってはコルチゾールの測定も考慮します。

試験的投薬での反応を観察するのもひとつの手段です。

試験開腹術
サイズの増大、いびつな形、コリコリとした感触、変色、血管新生などがある場合は異常の可能性が高い。
摘出した臓器は病理組織学的検査を行ない確定診断とします。

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以上のような病歴、症状、各診断法により副腎疾患を仮診断していきます。
長くなったので各治療法については次回、掲載していきます。

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